世界遺産登録されたクメール寺院プレアビヒア周辺の領有権論争に絡みカンボジア、タイ両国軍が10月中に2度、軍事衝突した問題で、両国首脳は24日、北京で会談し、平和的な解決方法を探ることで合意したと言う。
会談は、北京でのアジア欧州会議(ASEM)参加に伴い実現した。武力衝突後、カンボジアのフン・セン首相とタイのソムチャイ首相が会談するのは初めてと言う。
会談に同席した両国外相によると、両首脳は国際司法裁判所など第三者機関に調停を頼まず、あくまで2国間で問題解決を図ることでも合意。国境の係争地帯に展開する双方の軍に発砲しないよう指示した。
カンボジア北西部シエムレアプでは同日、寺院付近の国境線を管轄する両軍幹部の協議もあり、緊張緩和策について話し合った。タイ軍幹部によると、武力衝突の再発防止に努力することで合意した。ただ、両国軍が紛争地周辺でにらみあっている状況に変化はない。カンボジア外務省の報道官は、緊張緩和のため両国軍が係争地から兵力を撤収させることを望むと語った。
両国軍は10月3日と15日に交戦。15日の衝突では、ロケット弾や機関銃などを交えて約1時間続き、死傷者が出ている。寺院周辺地帯をめぐる主権論争は今年7月ごろから激化していたが、死亡者が出たのは初めてだった。
戦いがこれからも起きない様に願いたいね。