フィリピン北部、ルソン島ベンゲット州イトゴンの金鉱山で洪水に襲われ、地上から約210メートル下の坑道に9日間閉じ込められていた作業員3人が10月1日、救出された。
3人の健康状態は安定しているという。別の作業員6人が9月29日、30日に助け出されている。
5人が依然、行方不明となっている。2人の死亡者が出ている。1日に救出された24歳の男性作業員は「腹が減っている」「水に襲われない坑道の小さな場所を見付け、生き延びた」などと話している。
これら作業員は9月22日、台風が襲来する中で入坑、坑道にはすぐに水が入り込んでいた。助け出された作業員はいずれも、坑道の高い場所に避難していた。一度は泳いで坑道の安全地点へ到達しようとしたが、水の流れが速く、断念していた。
雨水でのどの渇きをいやし、シャツを食べながら飢えをしのいだという。手提げランプが消えた後は、暗闇の中で救助隊を待っていた。
この坑道は数十年前に造られたもので、1990年代に金鉱山会社が使用を中止していた。
今回救出されたり、死亡した作業員は無断で坑道につながる通路を造り、働いていたという。