アフガンに展開する米軍主導の多国籍軍が先週、同国西部ヘラート州で行った空爆で、民間人90人以上が死亡したとするアフガン当局の主張に対し、米軍は現地調査の結果、「根拠がない」との結論を下した。調査の状況に詳しい米国防当局高官が語った。
空爆は21日、ヘラート州シンダンド地区で実施され、多国籍軍はイスラム強硬派勢力タリバーンのメンバー25人と民間人5人が死亡したと発表していた。しかし、アフガン当局は24日までの調査で、多数の子どもを含む90人以上の民間人が死亡したことが判明したと主張。カルザイ大統領は同日、この地域のアフガン部隊の司令官ら2人を解任するとともに、多国籍軍がアフガン軍との間で戦略を調整せずに空爆を行ったと非難した。
米軍による調査は28日までにほぼ完了し、当初の発表と同じ結論が出たという。米軍関係者によれば、多国籍軍は地上でタリバンと交戦していたアフガン軍部隊などからの要請で出動した。標的となった現地からは多数の武器や米ドルの現金が見つかったという。