パキスタン警察は21日、首都イスラマバード近くの町にある国営の武器製造工場で自爆テロが2件発生し、50人以上が死亡、70人以上が負傷したと述べた。死傷者が増える恐れもある。
現場はイスラマバードから西へ約35キロ離れたワー町で、自爆犯2人は異なる工場出入り口でそれぞれ起爆していた。ほぼ同時間での爆発だった。多数の工場従業員が仕事を終え、帰宅に向かう勤務シフトの交代時間を狙った犯行だった。
実行犯の背後関係は不明。同町は弾薬、兵器類などパキスタンの軍需産業の中心地とされ、工場も密集している。
パキスタンの北西辺境州では政府軍によるイスラム過激派の掃討作戦が続き、衝突も多発している。武装勢力は政府軍への報復も宣言している。今年2月の総選挙で誕生した人民党などの連立政権はイスラム過激派との対話路線を提唱、交渉していたが、武装勢力側が今年6月、打ち切っていた。同州では19日、病院の緊急出入り口で爆弾が爆発、少なくとも23人が死亡、15人-20人が負傷している。