グルジアからの分離独立を目指す南オセチア自治州での武力衝突で、グルジア当局者は10日、同国部隊が南オセチア自治州の州都ツヒンバリから、衝突前日にあたる6日の位置まで撤退したと述べた。同州でグルジア軍と交戦していた露軍は、ツヒンバリを制圧した。
グルジア国家安全保障委員会の関係者は、露に停戦受け入れを促すため、ツヒンバリから撤退したと説明した。露の攻撃による死者は、これまでにグルジア兵200人前後、民間人37人にのぼっているという。
これに先立つ10日未明、露軍はグルジアの首都トビリシ郊外の国際空港に近い軍用飛行場を爆撃した。
国際社会は軍事衝突を激化させている露とグルジアに、即時停戦を呼びかけている。ブッシュ米大統領は訪問先の北京で、武力衝突を全面停止し「(衝突前日の)6日現在の原状」を回復するよう求めた。報道官によると、ブッシュ大統領はグルジアのサアカシュビリ大統領および露のメドベージェフ大統領に電話したという。
また、仏のサルコジ大統領は8日夜の北京五輪開会式で露のプーチン大統領に対し、グルジアの主権と領土を全面的に尊重するよう促した。
米国とEU、NATOは停戦呼びかけで連携。国連安全保障理事会も9日にこの問題を非公開で協議した。