インド軍は29日、パキスタンと領有権を争うカシミール地方の停戦ライン付近で28日~29日にかけ、両国軍が12時間以上にわたり砲火を交えたと述べた。
03年の停戦合意以降、最悪規模の衝突としている。死亡者の報告は今のところない。
両国軍は28日、同ライン周辺で銃撃戦を行い、インド兵士1人、パキスタン軍兵士4人が死亡していた。インド軍は、パキスタン軍が実効支配線を越えてインド側に侵入、発砲したのが原因と主張している。
ただ、停戦ラインに近いパキスタンの警察当局は銃撃戦に関する情報はないとしている。パキスタン軍は銃撃戦を否定したとの情報もある。
停戦ライン付近では03年合意以後、関係改善が進む両国関係を反映し、概ね平穏な情勢が続いていたが、過去数カ月間、銃撃戦が目立っていた。両国は双方の非を主張している。インド側は、イスラム過激派がインド側に越境しているとしてパキスタン政府の責任を非難している。
イスラム過激派は1989年以降、カシミール地方のパキスタン併合を求め武装闘争を展開している。