パキスタン当局は28日、部族地域でアフガン国境に近い北西辺境州で、アフガンのイスラム強硬派勢力タリバンの掃討作戦を開始した。こうした軍事作戦は、今年3月の文民政権樹立以来初めて。
パキスタン当局は、北西辺境州のイスラム過激派に強硬姿勢で臨む方針を表明している。軍報道官によると、作戦は過激派の脅威にさらされているとの報告があるペシャワル近郊で始まった。
パキスタン軍は過激派の拠点3カ所を壊滅し、過激派を西方に押しやった。過激派の報復攻撃や死傷者の報告は今のところない。
タリバーンはアフガンからパキスタンに越境して北西辺境州での存在感を強めており、ここ数週間一帯では多数の襲撃事件があった。
ゲーツ米国防長官は先日、パキスタンが過激派への軍事作戦に踏み切ることで、アフガン情勢が改善するとの認識を表明。ゲーツ長官は米国防総省で、パキスタン文民政権が過激派との対話路線に転換し、過激派への圧力がなくなるなか、過激派が自由に越境するようになり「米国にとっての問題を作り出している」とコメントした。