ミャンマー(ビルマ)南部を直撃した大型サイクロンの被害で、米軍当局者は6日、被災地への支援物資搬送を加速させるため同国軍事政権にヘリコプター22機の提供を申し出たが反応がない事を明らかにした。
AP通信によると、米太平洋軍のグッドマン海兵隊司令官が述べた。司令官は米軍によるミャンマー救援活動の責任者。3日以内にヘリ22機や上陸艇などを貸与出来ると軍政に打診したが回答は依然ないという。
米軍は今回のサイクロン救援活動で、複数の海軍艦船に支援物資を積み、ミャンマー近海に約3週間待機させ少なくとも15回にわたって軍政の許可を求めていたが無視されている。艦船は5日に撤収し、タイで荷を下ろす予定。
被災者のうち最大で約150万人には依然、救援物資が行き届いていないとされる。同司令官は、最大75万人が絶望的な状況にあり物資の緊急輸送が喫緊の課題になっていると強調した。軍政が保持するヘリがわずか7機のみの中で、激甚の被災地であるイラワジ川デルタへの支援物資の搬送の手段は悪路を経由してのボートとなっている。
デルタで活動する国際援助団体によると、このボートが圧倒的に不足しており、外国から持ち込もうとしても軍政の官僚主義の弊害で遅滞しているという。
ミャンマー軍政は救援活動の受け入れで米英、仏軍による直接参加を拒んでいる。