赤十字国際委員会は4日、アフリカ東部のソマリアで食料と水不足が深刻化し、数百万人が飢餓に瀕していると発表したと言う。
赤十字国際委員会ソマリア代表団のパスカル・フント代表は「ソマリアの人々は耐え難い苦難に直面している。われわれはこの10年来で最悪の悲劇を目の当たりにしている」との声明を発表した。
ソマリアでは1991年~93年にかけても深刻な食糧難に見舞われ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると24万人~28万人が死亡、200万人が家を失った。
人道支援団体などによれば、ソマリアの食糧危機は世界でも最悪級だという。作物は乾燥して収穫できず、家畜が死んで食料が不足。中部と南部では武装勢力同士の衝突も続き、状況悪化に拍車がかかっている。
赤十字国際委員会と国連の世界食糧計画(WFP)などは今後数週間で43万5000人に食料を届ける計画。世界食糧計画は4日にローマで開かれた国連会議で、ソマリア食糧支援のための援助額を1億6300万ドルに増やすと表明。
食料や燃料の高騰による食糧危機はアフリカなどの開発途上国に広がっており、国連児童基金によれば、エチオピアでは450万人が影響を受けている。