中国の四川大地震で出来た四川省北川チャン族自治県唐家山にある土砂ダムの決壊の危機で、新華社通信など国営メディアは31日、当局の指示により周辺住民約20万人が31日朝までに避難したと伝えた。
さらに決壊の可能性が強まった場合に備え、100万人以上の住民に退避を準備させている。
同ダムでは兵士、武装警察隊員が決壊を防ぐ排水路を造成しているが、新華社によると作業がほぼ終了した。排水開始は6月1日-3日の間に予定。排水路の長さは数百メートル、幅約50メートルで作業員は31日から現場を離れるという。
地震で出来た土砂ダムは約30カ所に及ぶが、唐家山のダムは最大規模。ただ、同ダムの規模の大きさを示す数値は伝えられていない。降雨も続き、同ダムの最も低い地点では水があふれるまであと十数メートルまで迫っているという。
一方、国務院(政府)は31日、地震の犠牲者は6万8977人と発表した。前日より約120人多い。行方不明者は1万7974人となっている。