トルコ軍は29日、イラク北部でクルド人武装勢力の掃討作戦を実施し、少なくとも15人のクルド人が死亡したと発表した。しかし、イラクのクルド人自治区の治安部隊は、トルコ軍の発表を否定している。
トルコ軍のウェブサイトは、同国への越境攻撃を計画していたとみられる非合法武装組織クルド労働者党(PKK)のメンバーを、イラク北部で発見したとの声明を掲載。27日に長距離兵器で攻撃し、PKK側の15人が死亡したと述べている。トルコ軍はまた、28日に同じ地域で空爆を実施したが、死傷者数はまだ不明としている。
しかしイラクのクルド人自治区の治安部隊の関係者は、27-28日にトルコ軍の空爆はなかったと発言するとともに、トルコ軍の軍事作戦はここ2週間行われていないと指摘した。
PKKはクルド人による自治を求めて、約20年間トルコ南東部で武力闘争を展開しており、一部はイラクに越境してトルコを攻撃している。イラク政府はPKKの越境に反対しているものの、トルコによる越境攻撃は主権侵害との見方にある。