9日に投開票されたスペイン上下両院選挙は、開票率89%の段階で、サパテロ首相率いる穏健左派・社会労働党が得票率44%と、右派野党・国民党の40%を上回り、第1党となる事が確実となった。投票率は75.4%だった。
サパテロ首相は国民党が敗北を認めた後、支持者らに感謝を表明し、「圧勝」を宣言した。首相は再任され、2期目の政権を担当する見込み。
首相は景気悪化や、投票直前にバスク地方で起きた社労党元議員の暗殺事件による打撃を克服したように見える。しかし4年前の総選挙と比較すると、今回の選挙結果は社労党の圧勝とは言い難い。
サパテロ首相は4年前の就任後、直ちにイラクに駐留する同国部隊の撤退を決めた。また、同性結婚を合法化し、離婚手続きを簡単するなど、EUの中でも革新的な社会政策を導入。
こうした政策に反対するカトリック信徒は昨年12月、首都マドリード市内で大規模な抗議デモを開催した。