イスラエルのオルメルト首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長は27日、エルサレムで会談したが、境界壁爆破を引き金とするガザ地区からエジプトへのパレスチナ住民流入問題には余り言及しなかったと言う。
イスラエルのベーカー首相報道官が明らかにした。
エジプトに流入するパレスチナ人は、悪天候の影響で少なくなっている。イスラエルはエジプトにガザ境界の警備回復を求めているものの、アッバス議長が30日にエジプトのムバラク首相らと会談するまで、この問題を提起しない姿勢にある。
オルメルト首相とアッバス議長は今回の会談で、ガザ地区の人道危機の現状について協議。ベーカー報道官は「建設的で有益な」会談だったとしている。
イスラエルがロケット弾攻撃への報復としてガザ境界を全面封鎖した事を受け、パレスチナ住民は先週、爆破された境界壁から食糧や燃料、医薬品を求めてエジプトに押し寄せた。
境界壁が破壊された地点にはエジプト軍部隊が展開しているものの、規模が小さいためパレスチナ人の波を止めるまでに至っていない。また、パレスチナ人の多くはガザ地区に戻ろうとしていない。
イスラエルのバラク国防相は27日の閣議で、ガザ地区の人道危機を最小限にとどめる一方、ガザ封鎖を継続する方針を明言した。最高裁関係者によると、同国は来週からガザ地区向けに、毎週最低7万5400リットルの燃料輸送を認めるとの事。