放火殺人罪で死刑判決を受け、米オハイオ州の刑務所に20年間収監されていた英国籍をもつ男性が7日、釈放されたとの事。
上訴審で判決が覆された後、検察は故殺未遂など3つの罪で起訴し直したが、男性がそれらについては争わなかったため、検察も釈放を認める「取引」が成立。
ケン・リッチーさん(43)は1986年、アパートに火をつけ2歳児を死なせた放火殺人罪で有罪となり、死刑判決を受けた。収監中には、死刑執行が1時間前になって中止されると言う局面も経験。昨年8月になって上級裁判所が、出火は事故だった可能性があり、リッチーさんは正当な弁護を受けなかったとして、有罪判決を覆した。
今回の取引により、リッチーさんは火災との関わりを明らかにする事なく、英スコットランドの自宅に戻る事ができるとの事。24時間以内の出国が求められているが、米国籍もあるため、自由に再入国できる。
検察の起訴事実について争わない事は、罪を認めた事にはならない。被告の立場は続き、今後有罪判決を受け罰せられる可能性もあると言う。
英では死刑がないため、英国会議員などがリッチーさんの死刑執行に反対する運動を展開。前ローマ法王の故ヨハネ・パウロ2世も加わっていた。