ブッシュ米大統領は主要国首脳会議(サミット)開幕を前に、ミサイル防衛(MD)問題で対立しているロシアについて、米国の敵ではないと明言した。
ブッシュ大統領は、
「ロシアは敵国ではない。われわれはロシアと戦争状態にないので、軍事的に報復する必要はない」と述べ、米国の新たなMDがロシアを標的にしていないと主張。また、ロシアの民主化が
「旧ソ連時代から大きく進展した」とコメントし、ロシアのプーチン政権批判の矛先を緩めた。ブッシュ大統領はさらに、サミットに合わせて予定されているプーチン大統領との会談が、険悪な雰囲気にならないとの見通しを示した。
MD問題はサミットの課題ではないものの、米ロの対立はサミットに影を落としかねない極めて微妙な問題になっている。ただ、ぺスコフ・ロシア大統領報道官は、米ロ関係が
「冷戦時代の再来には近づいていない」との認識を表明した。