告発サイト「ウィキリークス」は25日、米中央情報局(CIA)の内部報告書とされる文書を公開した。これに対し関係者は、重大な機密情報の漏えいはないとしている。
今回公開されたのは「もし諸外国が米国を『テロ輸出国』と見なしたらどうなるか」というテーマで考察したCIAの内部報告書。2010年2月2日付の3ページの文書で、最も機密レベルの低い「機密」扱いに分類されている。ウィキリークスは、前日にミニブログのツイッターで同文書の公開を予告していた。
これについてCIAのリトル報道官は、こうした分析資料は思考を刺激し、視点を変える目的で作成されており、それ以上のものではないと述べた。
また、ある情報当局者は、文書が公開されたことに不快感を示しながらも、「これはさほど重要性が高い文書ではない」としている。ウィキリークスは先頃、アフガニスタン戦争に関する米国の文書約7万6000件を公開し、議論を巻き起こしている。
ウィキリークスの創設者で編集長のジュリアン・アサンジ氏をめぐっては、先週、スウェーデン当局が婦女暴行容疑で同氏に対する逮捕状を出したが、1日も経たないうちに取り下げる事態があった。これに対し同氏はアラビア語テレビ局のアルジャジーラで、「明らかな中傷行為だ」と非難し、何者かが関与しているとの見解を示した。
一方、事件の被害者とされる女性は24日、CNNに対し、国防総省やCIAがこの問題に関与しているとのうわさは「完全にナンセンスだ」と語っている。