南米コロンビアのアマゾン川流域で、小型ザル「ティティ」の新種が見つかった。額に白い線がなく、「あごひげ」のような赤い毛が生えている。生息数は非常に少なく、絶滅の危機にあるとみられる。
新種のティティは、エクアドル、ペルー両国との国境付近、カケタ川上流域で確認された。猫ほどの大きさで、体は灰色がかった茶色の毛で覆われ、長い尾には灰色の斑点がある。国際環境NGOのコンサベーション・インターナショナルが12日発表し、霊長類保護の専門誌にも掲載された。
この地域に新種のティティがすむ可能性は30年前から指摘されていたが、一帯では武装勢力の活動が激しく、研究者の立ち入りは困難だった。コロンビア国立大のチームが2年前、ようやく上流まで到達。全地球測位システム(GPS)を使い、鳴き声を頼りに徒歩で探索を続けていた。
新種のティティは、生涯のパートナーとされるつがいとともに、尾をからませて樹上に止まる姿などが報告され、メスは通常1年に1匹ずつ子を産む。しかし生息数は250匹を下回り、生息地も分散していることから、森林破壊による深刻な絶滅の危機に直面していると推定される。