ジンバブエが10日、大規模なダイヤモンド販売を開始した。同国が先月、いわゆる「血のダイヤモンド」の取引を防ぐための認証制度「キンバリー・プロセス」の認証を受けて以来、初めての試みだ。
キンバリー・プロセスによると、同日販売されたダイヤモンドは合計90万カラット、約7200万ドル相当に上るという。
キンバリー・プロセスは、ジンバブエ軍が2008年に国内のダイヤモンド鉱山を強制収用し、一般市民を攻撃、殺害したことなどが明らかになったとして、同国のダイヤモンド輸出を昨年から禁止していた。キンバリー側は、政府に軍の撤退と実態調査を要請していた。
また、かねてから同国産ダイヤモンドをめぐる問題を指摘していた人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ダイヤモンド鉱山から得た資金がムガベ大統領の政党に流れていた疑いがあると非難していたが、政府側はこれを否定している。
2003年に設立されたキンバリー・プロセスでは、輸出するダイヤモンド原石が合法的に採掘・取引され、紛争にかかわりのないものであることを証明するよう参加国に求めている。
輸出される各ダイヤモンドには、産出地、採掘方法、加工場所などを詳述した証明書が添付される。キンバリー・プロセスに参加国していない国との取引は禁止されている。血のダイヤモンドをめぐっては、現在、2002年に終結したシエラレオネ内戦の国際戦犯法廷で、テーラー元リベリア大統領の戦争犯罪が審議されている。