パキスタン災害当局は11日、洪水による死亡者が1313人に達したと発表した。
この災害による負傷者は1588人、救助された人は35万2291人、損壊した住宅は72万2000棟を超え、被災者数は全国で1500万人に及ぶという。
被害が拡大する中、パキスタンでは11日、イスラム教のラマダン(断食月)が始まった。ラマダン期間中は、日中食事や水をとることが禁じられており、復旧作業が困難になるとの声も聞かれる。
洪水被害は国内の北部から南部に広がっている。各地で停電や断水が起こり、橋や道路が倒壊して陸路が遮断されているほか、作物や種子が流されるなどの被害も生じている。南部を中心に今後も被害は広がるとみられる。
食料不足も深刻化しており、国連は4億6000万ドル(390億円)の緊急支援を要請した。国連のホームズ事務次長は、今回の洪水被害は近年で最悪の規模だと指摘。被災者数は、2005年のパキスタン地震、2004年のインド洋津波、今年1月のハイチ地震をすべて合わせた数より多いとしている。