ロサンゼルス国際空港の警備が経費削減で手薄になり、米同時多発テロ以来の危険にさらされているとして、同空港の警官、消防士らによる組合LAAPOAが改善を求めている。
同組合は、空港警察責任者にあてた6月8日付の書簡で、警備要員の訓練や配置が経費節減の対象になっていると主張した。
ロサンゼルス国際空港公団(LAWA)トップのジーナ・マリー・リンゼイ氏はこれに対し、「裏付けとなる事実はない」と反論。空港警察の予算は同時テロ以降、毎年拡大され、今年度も昨年度に比べ340万ドル近く増えていると述べた。
書簡は、同空港が「世界で最も安全な空港のひとつ」とされていることを強調する一方、04年に米シンクタンク、ランド研究所が、同空港を標的としたテロ攻撃のシナリオとして、トラック爆弾や路肩爆弾、手荷物爆弾の可能性を挙げたことを指摘した。
同研究所は06年、中央ターミナルエリアに乗り入れる車両を対象に常設の検問所を設けるよう提案したが、書簡はこの案が検討の域にとどまっていると批判。現在実施されている抜き打ち検査についても、数カ月前から非常に手薄になっているとの懸念を示した。
これに対して空港側の報道担当者は13日、CNNとのインタビューで、同研究所の案は周辺道路の渋滞が予想され、実現不可能だったと説明した。同担当者は、コンピューター制御による抜き打ち検査はテロ防止に効果的との評価を得ており、米国内の他空港でも導入が進んでいるほどだと反論している。