米海洋大気局(NOAA)は18日、原油流出事故による影響への懸念から漁業禁止としていたメキシコ湾の水域を、約2倍に拡大すると発表した。事故以来1カ月近く操業を制限されてきた地元の漁師らにとって、さらに大きな打撃となる。
NOAAによると、漁業禁止水域は現在の範囲から南方と東方に拡大され、4万6000平方マイル(約12万平方キロ)と、メキシコ湾全体の19%を占める規模になる。事故現場からは1日当たり数千バレルの原油流出が続き、エビやカニ、クロマグロを中心とした24億ドル規模の漁業界に深刻な影を落としている。
水面下に大量の原油が広がっているとの説が流れ、原油を分解するために散布されている化学薬品の影響が懸念されるなど、漁師らの不安は尽きない。汚染がこれ以上広がれば、原油は海流に乗ってフロリダ海峡を抜け、米東海岸沖まで運ばれる恐れもある。
ルイジアナ、アラバマ両州の沿岸では今のところ、商業漁業、レジャー目的の釣りともに認められている。しかし地元業者によれば、観光客相手の釣りツアーはキャンセルが相次ぎ、近海で獲れたカニなどは買い手のつかない状況が続いているという。
拡大してしまった・・・