トルコの最大野党、共和人民党のデニズ・バイカル党首(71)は10日、女性議員との不倫現場を撮影したとされるビデオが出回ったことを受け、党首を辞任した。女性議員は同党首の元秘書。
同党首は、「これは私に対する陰謀だ」として政府を攻撃。「与党の関与がなければこのようなテープを隠し撮りすることは不可能だ。非合法、非倫理的な行為をする者が、法や倫理を守ることはできない」と訴えた。
同党は23日と24日に行われる党会議で新党首を選出する予定。同党首は自ら立候補はしないが、不倫疑惑を信用しないとする多数の党員らが同党首の再任を求めて署名を集めている。本人にもその動きを止める様子はなく、「辞任するからといって、陰謀に屈するわけではない」と語っている。
一方、エルドアン首相は、テープの公開を停止する命令を出したとしたうえで、「バイカル党首の発言はテープそのものと同じくらい醜く、価値のないものだ」と非難。さらに、同党首はテープが本物であることを否定してはいないと指摘した。
トルコ政府は現在、憲法改正を問う国民投票の実施に向けて準備を進めている。政教分離を重視する共和人民党は、憲法改正に反対している。
この件に関し、検察当局が捜査を始めたとの国内報道もある。