キルギスの首都ビシケクで7日、反政府デモ隊と警察が衝突し、少なくとも40人が死亡、400人が負傷した。オトンバエワ元外相は8日未明、自身が暫定政権の主導権を握ったと宣言した。バキエフ大統領は追放されたとみられる。
オトンバエワ元外相はCNNに対し、「すべてを掌握できたものと考えるが、やるべきことはまだたくさんある」と語っている。しかし、この宣言を裏付ける情報はまだ確認されていない。
在ビシケクのトルコ大使によると、北部の都市タラスで6日、燃料・電力の値上げに反対するデモが起こり、それが7日にビシケクに飛び火したという。またロシアのインタファクス通信は、タラスで野党指導者らが逮捕されたことを受け、タラス、ビシケク、ナルインで衝突が勃発したと伝えている。
バキエフ大統領は05年、今回と同じような混乱の末アカエフ前大統領が失脚した後に大統領に就任した。09年に再選された際には、野党勢力への妨害等があったとして米国から非難を受けた。国連も、表現の自由やメディアへの抑圧があったとしている。
キルギスには、アフガニスタン近くに駐留する米軍とNATO軍の重要な供給ラインであるマナス空軍基地がある。米国防総省によると、動乱の影響で同基地からの飛行が中止されており、再開も未定とのこと。