今月7日のイラク国民議会選挙の結果について、米国のヒル駐イラク大使は28日、同国が民主主義へ向かう「転機」となったと述べ、有権者らが多様な選択の機会を得たことを高く評価した。CNNとの独占インタビューで語った。
ヒル氏はインタビューで、イラク国民が「さまざまな候補者を検討し、さまざまな方向を選んだ」ことは「良い兆候だ」と語った。また、同国が過去数カ月の間に、政府ビルを狙った爆弾テロや選挙法成立の遅れなど、数々の困難に直面してきたことを指摘。これらを乗り越えて選挙実施にこぎ着けた事実を重視したいと述べた。
ヒル氏はまた、第一勢力となった世俗派連合「イラク国民運動」を率いるアラウィ元首相には「さらに大きな困難」が待ち受けているが、それもまた乗り越えることが可能だと強調。アラウィ氏は新政権の樹立に向け、宗派にこだわらずに人材を集めるべきだとの考えを示した。
アラウィ氏も同日、CNNとのインタビューで、「国民は宗派主義を望んでいないこと、治安と安定をもたらす政権を望んでいること」が、選挙で明らかになったと指摘。「早期の政権樹立を目指したい。民主主義のルールに従える人ならだれにでも門戸を開く」と語った。