パレスチナ自治政府のアッバス議長は27日、リビア北部シルトで同日開幕したアラブ連盟(21カ国、1機構)首脳会議で演説、パレスチナ和平交渉に触れ、イスラエルが現在の入植地政策を維持する限り、前進しないとの見解を表明した。
和平交渉では、米国を仲介役とする間接和平交渉方式にパレスチナ、イスラエル双方が3月初旬に合意。しかし、イスラエル政府がその直後、占領地東エルサレムでの1600戸の新規宅地開発計画を発表して、自治政府が強く反発、交渉開始の見通しは立っていない。
同連盟首脳会議では、他の参加者もアッバス議長の主張を支持。連盟のムーサ事務局長は和平交渉そのものが全面的に失敗する可能性にも備えなければならないとの危機感を表明した。トルコのエルドガン首相は、イスラエルの入植政策を「正気とは思えない」と糾弾した。
アラブ連盟は、間接和平交渉への支持を表明していたが、これを撤回する可能性もある。米国もイスラエルに対し1600戸の建設計画の凍結を求めているが、イスラエルのネタニヤフ首相は応じていない。
パレスチナ自治政府は東エルサレムを将来の首都と位置付けている。