NATOの高官は、アフガニスタンで容疑者を拘束しておける時間を定めた「96時間規程」について、見直しを検討していることを明らかにした。
96時間規程は、NATO部隊が容疑者などを拘束した場合、96時間以内にアフガニスタンの当局に引き渡すか、釈放しなければならないと定めた規程。米軍による捕虜虐待が問題になったイラクのアブグレイブ刑務所のような事件の再発防止を目的に定められたが、米国内ではこの規程が原因で兵士が危険にさらされると危惧する声が上がっていた。
NATO軍事委員会のパオラ議長はCNNに対し「NATOはこの問題について協議中だ。96時間規程は確かにNATOの規程だが、加盟国の法的側面との関係もあり、軍だけの問題にとどまらない。司法面も考慮する必要がある」と述べた。
米空軍出身で昨年アフガニスタンを訪問したグラハム米上院議員はこの規程について「理不尽であり、それほど重大でない目的のために、わが国の部隊を危険にさらすものだ」と主張。ペトレアス米中央軍司令官も、特に重要容疑者などの場合、96時間では不十分だとの認識を示していた。