国連総会は8日、バンクーバー冬季五輪の開幕を12日に控え、恒例の「五輪停戦」を呼びかけた。五輪停戦は、古代ギリシャの伝統に基づき五輪期間中の停戦を世界に呼びかけるもので、1993年の国連総会で初めて決議が採択された。
国連総会のトレキ議長は「全加盟国が2010年バンクーバー五輪の五輪停戦にコミットし、地域、国家、世界レベルで平和と調和の文化醸成のための行動に出ることを希求する」と訴えた。
五輪停戦は90年代前半には、紛争で孤立したボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボに人道支援を届けるきっかけとなるなど一定の成果を挙げた。しかし04年のアテネ五輪の際は、米国がイラク戦争の停戦には応じないと表明。08年の北京五輪開催中にはロシアとグルジアの軍事衝突が起きている。