イラク内務省当局者は5日、中部にあるイスラム教シーア派の聖地カルバラで同日、2件の車爆弾テロが起き、少なくとも20人が死亡、85人が負傷したと述べた。シーア派の巡礼者を狙ったとみられる。
テロはほぼ連続して起きたという。カルバラでの爆弾テロの発生はこれで、過去5日間で2度目。バグダッドなどでもシーア派巡礼者を標的にしたテロが発生している。
イラクでは今年3月、連邦議会選を予定しており、選挙を前に反政府武装勢力が治安をかく乱すると共に、イスラム教の宗派抗争を狙っているともみられる。イラクの現政権はシーア派が主導している。
イラクではこの時期、シーア派の重要な宗教行事アルバインがあり、多数の巡礼者がバグダッドなどからカルバラに歩いて向かっている。治安当局は過去にもこの行列を狙ったテロが起きていることから、警備を強化していた。
カルバラでは3日、オートバイを用いた爆弾テロが起き、20人が死亡、117人が負傷している。シーア派の3代目イマーム(指導者)フセイン廟へ向かう同派巡礼者を標的にしていた。