笠松競馬場(岐阜県笠松町)の一部地主が県地方競馬組合に競馬場用地の明け渡しを求めた訴訟は1日、名古屋高裁で和解が成立し、笠松競馬の存続が正式に決まったと言う。
和解条項には▽10年度までの年間用地賃貸料を1坪(3.3平方メートル)1200円とする▽11年度以降は前年度の売り上げに応じて変動する▽契約終了後は3年以内に原状回復して明け渡す--などが盛り込まれた。
地主側の代理人弁護士は「競馬場は早晩廃止が予想される。廃止後の土地をどうするかを明文化するのが訴訟の目的で、廃止後の原状回復を盛り込んだ和解は評価できる」と話した。同組合の管理者、広江正明・笠松町長は「経営は楽ではないが、裁判を起こした地主、起こさなかった地主も含め、全員で運営しなければいけない」と語った。
地主253人のうち86人が06年に土地明け渡しを求めて提訴。岐阜地裁は08年5月に明け渡しを命じ、組合側が控訴していた。
笠松競馬場は1935年開場。中央競馬G1レース4勝のオグリキャップが出たことで知られる。売上総額は80年度の約445億円がピークで08年度は122億円。