イエメンのイスラム教シーア派の反政府武装組織がサウジ領内に侵犯、同国やイエメン軍との武装衝突が続いている問題で、イエメンの国営サバ通信は16日までに、サウジが武装組織のアリ・アブドゥラ・アーメド・マリキ・フーシ指導者を捕そくしたと述べた。
サウジ国境警備隊が同国南西部で拘束したとしている。サウジ当局はこれを確認していない。
同武装組織のザイド派民兵は今月3日ごろからサウジ国境警備隊への越境攻撃を実施、これまで3人を殺害し、15人が負傷している。サウジは報復攻撃として8日、イエメン国境沿いにあるサウジ山岳部の拠点への軍事作戦を開始、空爆にも踏み切っていた。武装組織は、両国間の緊張が高まることを狙い、イエメン領内を空爆したと主張したが、イエメン政府はこれを否定している。
イエメン軍と武装組織間の衝突は過去5年、断続的に続いていたが、今年夏に軍は本格作戦に着手、多数の死傷者も出ていた。サウジの空爆は、イエメン内の紛争がサウジにも波及したことを意味する。
イエメンでは、イスラム教スンニ派が多数派。イエメン政府は、シーア派が主流派のイランが同武装組織に武器や資金援助を行っていると疑っている。