オバマ米大統領が検討するアフガニスタン駐留米軍への増派問題で、同大統領は11日、追加派兵の規模などで関係閣僚、軍関係者らと8回目の協議を持ったが、オバマ氏の「修正要求」などがあり、結論が出なかった。政府高官が明らかにした。
オバマ氏は特に、米軍のアフガン側への治安権限などの移譲方法や時期について明確な説明を求め、大統領に提出されていた選択肢の修正を求めたという。大統領には4つの選択肢が示されていたが、オバマ氏はいずれも疑問を呈したという。
選択肢4つには、2万人から4万人までの増派案が盛り込まれ、いずれも実行に移した場合の経費の内訳も示された。
米政府高官によると、11日の協議では、オバマ氏による増派の実施期間の設定へのこだわりやアフガニスタンのカルザイ政権への信頼性への懸念が浮き彫りになった。増派の規模を決める前の「出口戦略」の構築の必要性にも言及したという。
オバマ氏は、米国による過去数年間のアフガン支援なども踏まえ、新たな増派に踏み切ったとしても、同国政府は今後の一定期間で統治能力の向上を見せることが必要との判断を持っているとしている。欧米は、カルザイ政権の根強い汚職体質への批判を強めている。