アフガニスタンと国境を接するパキスタン北西辺境州の州都ペシャワルの市場で28日、車爆弾がさく裂、少なくとも90人が死亡、200人以上が負傷した。同州政府の情報省当局者が明らかにした。犠牲者の多くは買い物中の女性で、死傷者が増える恐れもある。同市で起きたテロでは過去、最悪規模となっている。
同国には28日、クリントン米国務長官が到着していた。訪問ではテロ対策の協議が議題の1つとみられ、長官はパキスタン地元テレビとの会見で、同国軍が北西部南ワジリスタン地区で展開しているイスラム強硬派勢力タリバン系組織の掃討作戦を「非常によく計画、遂行されているようだ」と高く評価していた。
今回爆発が起きたのは、女性用製品が売られているメエナ市場で、込み合っていたという。爆薬約150キロが詰め込まれていた車爆弾が仕掛けられていた場所は不明。爆発後、小路が入り組んでいる市場に火災が急速に広まっていた。
ペシャワルではこれまでも爆弾テロが多数発生、今月9日には別の市場で自爆の車爆弾テロが起き、少なくとも49人が死亡、135人が負傷している。また、16日にも市内にある警察署近くで自爆犯の車爆弾がさく裂、10人以上が死亡している。北西辺境州に接する政府直轄部族地域に拠点がある「パキスタン・タリバン運動(TTP)」の犯行との見方が強まっている。
TTPは南ワジリスタン地区での掃討作戦に強く反発、停止しなければパキスタン各地でテロを多発させると宣言している。