国際海事局(IMB)の海賊情報センター(本部クアラルンプール)は21日、今年1-9月期に世界で発生した海賊事件は、未遂も含め計306件を記録したと報告した。昨年通年の293件を上回った。
306件のうち54%に当たる168件がアフリカ東部のソマリア沖や同国北部にあるアデン湾で発生。32隻が乗っ取られ、船員ら533人が拉致、8人が負傷、4人が殺害されたとしている。行方不明者は1人。
ソマリア海賊は依然4隻を拘束し、船員ら80人を人質にしている。ソマリア周辺沖合での海賊事件頻発を受け、米軍、NATO、EU、日本、ロシアやインドなどは海軍、海自艦船を派遣、警戒を強化している。しかし、海賊は活動海域をソマリア東南部に広げるなどして対抗、発生件数は大きく減少していない。
海賊情報センターによると、この他の海域の海賊事件では、アフリカ・ナイジェリア沖が20件、マレーシア沖が14件、バングラデシュ沖が12件などとなっている。