アフガニスタン駐留米軍のマクリスタル司令官が8月末に提出した非公開の報告書で、米軍部隊が追加派遣されなければアフガンでの任務は失敗に終わる恐れがあるとして、増派を強く要請していたことが分かった。米紙ワシントンポストが、入手した内容の一部として伝えた。
同紙によると、司令官は66ページにわたる報告書の中で、「今後1年以内に主導権を握り、武装勢力の勢いを抑えることができなければ、武装勢力を撃退することはもはや不可能になる」と述べている。
国防総省のモレル報道官は、ワシントンポストが報告書を入手したことを認めたうえで、安全保障上の理由から一部の内容については公開を控えるよう同紙に要請したと説明。「報告書全体を非公開とすることが望ましかったが、ワシントンポスト側の協力に感謝する」と述べた。
米軍は現在、アフガンに6万2000人規模の部隊を送り込んでいる。オバマ大統領は同司令官の報告書を受け、増派を検討しているとされるが、20日放送のCNNとのインタビューでは、国際テロ組織アルカイダの掃討という「本来の目的」を念頭に判断を下すと述べるにとどまった。