国営イラン通信(IRNA)によると、イランの最高指導者ハメネイ師は20日、米オバマ政権がミサイル防衛(MD)システム配備計画の見直しを発表したことに対し、「反イラン」的な政策との批判を展開した。欧米諸国が懸念するイラン核開発疑惑についても「米国によるまったくのでっち上げ」として強い反発を示した。
ハメネイ師は、イスラム教のラマダン(断食月)明けの演説で、米国のブッシュ前政権が「反イラン、反イスラムの政策に全力を傾けていた」と批判。そのうえで、「現政権もうわべの友好的な発言とは裏腹に、同じ反イラン、反イスラム政策を踏襲している」と強く非難した。
ハメネイ師はまた、「イランの政策と30年の歴史が証明する通り、わが国は平等と友愛の精神のもと、近隣のイスラム諸国や世界各国と平和に共存することを望んでいる」と強調した。
オバマ大統領は17日、ブッシュ前政権がポーランドやチェコで進めていたMD配備計画の見直しを発表した。最新情報を分析した結果として、イランの短・中距離ミサイルを「最も差し迫った脅威」と位置づけ、その脅威に対応できる態勢を目指すとしている。