イエメンの国営サバ通信によると、同国政府軍は20日、北部の都市サーダで大統領宮殿などを襲撃したイスラム教シーア派武装勢力に反撃し、武装勢力のメンバー約150人を殺害したと言う。
同通信が野党ウェブサイトからの情報として伝えたところによると、武装勢力は70台近くの戦闘車で複数の方向から同市を攻撃。政府軍の兵士2人が死亡、20人が負傷した。
地元紙記者がCNNに語ったところによれば、武装勢力の報道担当者は19日、政府側が提示した条件を受け入れ、停戦に同意したと話していた。だが20日になって、武装勢力が大統領宮殿を襲撃。軍はヘリコプターなどを送り込み、撃退を図ったとされる。
反政府武装勢力と政府軍の衝突は過去5年間、断続的に起きていたが、政府軍が先月、攻勢を強め激化した。戦闘の背景には北部の自治権問題や、多数派を占めるスンニ派との宗派対立がある。