米国防総省のモレル報道官は11日、アフガニスタン軍事作戦で路上仕掛け爆弾による被害が多発していることからゲーツ国防長官が近く兵士数千人の追加派遣を承認する見通しだと述べた。3000人規模が想定されている。
長官は同爆弾の脅威を減じる部隊や装備が不足していると判断した。早急に追加派遣を実施する方針。路上の安全確保、爆発物処理、医療、情報収集などが専門の部隊となる。
アフガン軍事作戦では、マクリスタル駐留米軍司令官が先に、増派問題に関する具体的な勧告を盛り込んだ評価報告を長官に提出。しかし、路上仕掛け爆弾の脅威に対応する部隊増派は同司令官の評価報告とは無関係だという。
アフガン駐留米軍は 大統領が打ち出した2万1000人の増派を受け、年末までに6万8000人規模に膨らむ見通し。
ゲーツ長官はこれまで米軍増派に対し、アフガン国民が「占領者」と受け止めかねないことを危ぐし、慎重姿勢を示してきた。しかし、マクリスタル司令官の報告を受け、考えを改めたとしている。
国防総省によると、アフガンでの路上仕掛け爆弾攻撃は07年以降、増え始め、件数は350%増になっているという。多数は、爆発前に処理されているが、兵士の犠牲者は400%増となっている。01年末の米英軍事作戦で政権を追われたイスラム強硬派勢力タリバンの路上仕掛け爆弾の製造技術も向上しているという。