第2次世界大戦の開戦から70年を迎えた1日、ナチスドイツが侵攻したグダニスク郊外ベステルプラッテで記念式典が行われ、少なくとも20人の各国首脳やポーランドの退役軍人らが出席した。
ドイツのメルケル首相は、同国が開戦によって「終わりのない苦しみ」を招いたとする一方、1200万人以上のドイツ人が終戦時に域内から追放されたのは不当であり、この点が認識されるべきだとの見解を示した。
ポーランドのトゥスク首相は、大戦が人道自体に対する戦争であったと位置づけるとともに、開戦記念行事は今後自国が戦争に巻き込まれないようにするために必要だとの見解を強調した。
露のプーチン首相は、大戦でロシア側に少なくとも2700万人の犠牲者が出たことを明らかにしたうえで、当時の旧ソビエト連邦の役割がナチスの脅威と同等に扱われていることに反発を表明し、ポーランド側の歴史観に一石を投じた。ナチスドイツと旧ソ連の双方に侵攻されたポーランドでは、旧ソ連の指導者スターリンが、ナチスドイツのヒトラー同様に邪悪な人物とみなされている。露はこうした歴史観が、ナチス打倒と欧州解放に向けたロシア人の犠牲を軽視するものだとの見解にある。
メルケル首相は、欧州の結束と平和は喜ばしいことであり、奇跡だとコメントした。