インドの無人月探査機「チャンドラヤーン1号」との通信が29日に途絶え、専門家が復旧作業を急いでいる。インド宇宙研究機関のスポークスマンが30日明らかにした。
原因はシステム障害とみられ、スポークスマンは「通信復旧の可能性は低い」との見解を示した。
同探査機のミッションは2年間の予定で、これまでの312日間で月周回軌道を3400回回り、大量のデータを送信していた。月面の高解像度立体画像を撮影することを目的としており、中でも恒久的に影に隠れている極地部分の撮影を狙っていた。
同探査機には米国や欧州連合(EU)、ブルガリアの観測機器が搭載され、月面に水や氷が存在した形跡の探査や、月の石の化学分析を実施する予定だった