20日実施されたアフガニスタン大統領選で、英軍が大規模作戦を展開していた南部ヘルマンド州の投票率が極めて低かったとの報告を受け、駐留の意義などをめぐる批判が再燃している。これに対し、英軍や当局は「投票率がすべてではない」などと反論している。
英軍は大統領選に先立ち、イスラム強硬派勢力タリバンの拠点となっているヘルマンド州の治安を確保するとして、「ヒョウの爪」と呼ばれる掃討作戦を実施した。しかし英メディアによると、作戦で英兵4人が死亡した同州ババジでは、大統領選の投票者がわずか150人にとどまったとされる。
英国では最近、アフガン軍事作戦を開始した01年以降の英兵の死者が200人を超えたことなどを受け、駐留の継続を疑問視する声が高まっていた。
これに対し、セドウィル駐アフガン大使は記者団とのインタビューで、「ヒョウの爪は選挙を目標とした作戦ではなく、治安確立に向けた長期にわたる努力の一環だ」と説明。アフガン各地で投票率が低迷したことを認めたうえで、「タリバンは大統領選の全面的な阻止を狙っていたが、それは成功しなかった」と指摘した。
また、英国防省のウェブサイトによると、空軍のアンディ・プルフォード少将は「英兵はババジの住民の生活が向上したことを自分たちの目で確かめた」と、作戦の成果を強調。「投票率はまだ正式に発表されていないし、その数字にかかわらず、ババジにもたらされた治安は来週、来月、来年まで続く」と述べている。