イラク内務省当局者は21日、首都バグダッド南部のドーラ地区にある市場で同日朝、爆弾テロが起き、少なくとも2人が死亡、20人が負傷したと述べた。同市場ではバグダッド近在の農民が農作物などを売っており常に混雑しているという。
過去数カ月間、同市場では爆弾テロがたびたび発生、住民や利用者は警備体制の欠陥に不満を募らせていたという。アルカイダ系などイスラム教スンニ派の武装勢力が関与している可能性が強い。
バグダッドでは19日、外務省など政府省庁、国民議会の政権中枢を標的とした6件の連続テロが発生、100人以上が死亡、500人以上が負傷した。駐留米軍は一定の治安改善を背景に、今年6月末まで都市部から全面撤退し、2011年末までには全部隊の撤収を予定している。19日の攻撃による死傷者は、都市部からの撤退後、最悪規模となっている。
マリク首相は連続テロを受け治安担当幹部を聴取、何らかの処分を下す構えを見せた。
しかし、20日にはバグダッド南方にあるバビル州の路上でも1時間内に5件の爆弾テロが発生、4人が死亡、数十人が負傷した。
米軍撤退をにらんで武装勢力の爆弾テロなどは増加基調にあり、治安権限を担うイラク治安部隊の能力への国民の不信感も強まっている。