アフリカ南部ザンビアの日刊紙「ポスト」の編集委員が、医療問題について訴えるために出産中の女性の写真を政府に送ったところ、わいせつ物配布の罪で訴追され、首都ルサカの治安裁判所でこのほど公判が始まった。同紙がウェブサイトで明らかにした。
訴追されたのは同紙のチャンサ・カブウェラ編集委員。副大統領や厚生相にあてた手紙で国の医療制度の不備を訴え、特に医療従事者のストで妊娠中の女性が影響を被っていると指摘した。
NGOの国境なき記者団によれば、カブウェラ氏はこの手紙に、病院に入院を断られて近くの駐車場で出産している女性の写真を添えたという。
バンダ大統領はこの写真がわいせつ物にあたると判断、カブウェラ氏の逮捕と訴追を命じた。
公判では副大統領の側近などが証言に立っている。ザンビアの新聞業界団体はポスト紙のウェブサイトで声明を発表し、政府に対し「わいせつ物」の定義の明確化を求めた。