壮年期の血中総コレステロールが高い人ほど、血管性認知症やアルツハイマー型認知症の発症率が高くなるとの研究結果を、米カリフォルニア州オークランドのカイザー・パーマネンテ医療研究所が4日、明らかになったと言う。
これまで、血中コレステロール量と、心疾患や脳疾患との関係は調査されていたが、コレステロール量が「境界域」と呼ばれるやや高めの値でも、認知症の発症リスクが関係していることを確認したのは初めて。
同研究所は約1万人の患者を40年にわたって継続的に調査。調査開始時の患者年齢は40-455歳だった。その結果、血中総コレステロール量が血清1デシリットルあたり240ミリグラム以上の「高コレステロール」の場合、アルツハイマー型認知症の発症リスクは66%、200-239ミリグラムの「境界域」では25%、それぞれ上昇していた。
米心臓協会(AHA)によると、米国人の1億6000人以上が、血中コレスレロール量が境界域と見られている。同研究所は、コレステロール量を減少させるためにはまず、日常の生活習慣を見直すことが必要だと指摘。適度な運動を毎日行い、ストレスを抱えず、栄養バランスを考えた食事が必要だとしている。