米国防総省ミサイル防衛局(MDA)は30日、海上発射型の迎撃ミサイル実験をハワイ周辺で同日夕に実施、成功したと発表した。この種の実験は02年以降、計23回行い、成功は19回目となった。
MDAによると、実験は米東部時間の午後11時40分ごろ、ハワイ・カウアイ島にあるミサイル基地から標的となる模擬弾頭搭載の短距離弾道ミサイルを発射。数百キロ離れた海域に待機する駆逐艦などが同ミサイルの弾道を3段階に分けて追跡し、迎撃ミサイルSM3を発射して撃ち落とした。
高度約160キロの空中で命中した。迎撃ミサイル発射から撃墜まで5分以内で終了した。
今回の海上型ミサイルの迎撃実験は、敵対国家が発射する中距離弾道ミサイルを想定する。最終的にはイージス艦計86隻に装備の予定。ミサイル防衛計画ではこの他、地上型迎撃システムがあり、長距離弾道ミサイルの撃墜が任務となっている。
海上発射型のSM3は、北朝鮮から日本を、中国から台湾を狙ったりする中距離弾道ミサイルの迎撃を想定。北朝鮮は今年4月5日、人工衛星打ち上げを名目とする長距離弾道ミサイルを発射している。この実験で、ハワイまで射程を伸ばす技術を確保したとの見方もある。