クリントン米国務長官は15日、ワシントンの外交問題協議会でオバマ政権の外交政策について演説し、先月12日の大統領選後、保守、改革両派間の対立が先鋭化したイラン情勢に触れ、同国に対し米国との直接対話に応じるよう促した。
長官は、大統領選で不正疑惑があったとする改革派集会が弾圧されたこと関連し、「おぞましい行動」と非難し、「大統領も私もイランとの直接対話が成果を生むことに幻想は抱いていない」と指摘。ただ、直接対話の道を開けておくことは、国際社会の責任ある一員としてイランを迎えるか、同国を一層の孤立化に追い込むかを見極める適切な方法だと強調。
大統領選後の一連の混乱に対するイラン当局の対応は、米国の対話路線の展望に陰りを与えたとしながらも、米政府の方針は変わっておらず、イランは早急に対話に応じるべきだと強調した。また、対話のための機会はいつまでもあるわけではないとイラン側の積極対応を要請した。
イランと欧米は核開発問題などで厳しく対立。イランは国連安保理の決議を無視しウラン濃縮などを続行している。