イラン大統領選で敗れ、不正行為があったとして選挙やり直しを求めている改革派のムサビ元首相は25日、「要求を撤回するつもりはない」とする声明を発表し、当局への抗議を続ける考えをあらためて表明した。同国の政府系放送局プレスTVが伝えた。
プレスTVによると、ムサビ氏は自らのウェブサイト上で声明を発表。この中で「選挙の不正を主導した者が、選挙後の暴力の背後にある勢力と組んで、流血の事態を引き起こした」と述べ、当局が抗議行動を抑えるため、同氏を「中傷し孤立させようとしている」と非難した。ムサビ氏はそのうえで、「保身やあるいは相手の脅迫を理由に、イラン国民の権利を主張する立場から退くことはない」と表明。「今回の選挙では大規模な不正があり、選挙後に抗議した人々が無残に捕らえられ、襲われ、死傷した。当局は無視しようとしているが、これが事実だ」とあらためて主張した。
プレスTVはまた、同国のファルス通信の報道として、ムサビ氏の側近の1人、アボルファズ・ファテフ氏が、ムサビ氏の支持者らによる不法集会などを計画したとして、当局から出国を禁じられたと伝えた。
改革派陣営は、治安当局の弾圧で死亡した支持者らの追悼集会を25日に予定していたが、当日になって延期を発表した。