アフリカ東部のソマリア沖で4月8日に起きた米貨物船「マースク・アラバマ」の海賊乗っ取り事件で、米国防総省当局者は1日、海賊が同船から奪った現金約3万米ドル(約290万円)の行方が分からず、調べていることを明らかにした。
事件では、海賊4人が同船を一時乗っ取ったが、米海軍特殊作戦部隊が船長を連れて漂流していた小型船舶を攻撃し、3人を殺害していた。船長は無事に救出されていた。小型船に乗り移る前、海賊は船長に発砲してマースク・アラバマ金庫を開けさせ、現金3万ドルを奪っていた。
海賊4人のうちただ1人生き残った首領格のアブドゥワリ・アブドゥカディル・ムセ被告はニューヨークで海賊、拉致、武器不法所持など10件の罪で起訴されている。同被告ら3人が3万ドルの紙幣を手にしたとの情報があるが、小型船舶上では見付かっていなかったという。
国防総省は、船長、海軍特殊部隊の隊員、マースク・アラバマの乗組員、小型船舶を追跡していた海軍艦船の乗員らから事情を聴き、3万ドルの行方を追っている。