スリランカ政府は、少数派タミル人の反政府武装組織タミル・イーラム解放の虎(LTTE)の指導者プラバカラン議長が、政府軍の攻撃で死亡した可能性があると見て、遺体1500人の身元確認を急いでいる。政府軍関係者が18日午後、テレビ放送で語った。
プラバカラン議長は、世界32カ国からテロ組織に指定されているLTTEの創始者で、北東部の森林地帯に長年潜伏。メディアの取材に応じることは少なく、LTTEのメンバーの多くにとってもとらえどころがない人物で、謎が多いと言う。
議長はシアン化物のカプセルを首にかけており、拘束の危険が迫った場合は服毒自殺する用意があるとされる。戦闘部隊にも同じ対応を求める結果、生きたまま拘束されるLTTEのメンバーは少ない。
議長は支持者らから、タミル人の権利拡大を求めて闘う英雄と見なされている。しかし政府は民間人の死傷者を軽視する戦争犯罪者と見ており、国際刑事警察機構(インターポール)はテロや組織犯罪に関与した容疑で議長を指名手配している。
LTTEは過去に敗北寸前から巻き返したが、政府は議長の死亡が確認された場合、LTTEを完全制圧できると楽観視している。