オバマ米大統領は就任から100日目の節目を迎えた29日夜、ホワイトハウスで記者会見した。大統領はイラクでこのところ暴力沙汰が増えているものの、イラク駐留米軍の段階的撤収計画には影響はないと明言したと言う。
大統領は会見の前半、イラクやパキスタン情勢、テロ対策に関する質問に答えた。大統領は、イラクの政治制度が維持され機能していると述べたうえで、米軍撤収に先立ち、石油収入の分配問題や地方政府の治安権限、少数派クルド人やイスラム教スンニ派、シーア派、反米勢力からテロ対策要員に転じた「イラクの息子たち」の政治的関係などを見極めたい意向を表明した。
大統領はまた、テロ容疑者に対する過酷な尋問を中止する決定に満足感を示し、第二次世界大戦時のチャーチル英首相がそうした尋問方法を拒否したことに言及した。過酷な尋問を認めていたブッシュ前政権について質問されると、大統領は「どのような法的根拠があろうとも間違いだ」と述べた。
一方、隣国メキシコから世界各地に感染が広がっている豚インフルエンザについて、大統領は感染対策としてメキシコとの国境を閉鎖する可能性は低いと述べた。大統領はメキシコと米国間の移動への対応などについて、保健当局の指導を仰ぐ方針。また、対策費として連邦議会に総額15億ドル(約1455億円)の支出を促したことや、感染者が出た学校に閉鎖を検討するよう求めたことを明らかにして、政府が感染食い止めに全力を挙げる方針を強調した。