パキスタン軍は28日、国内で活動する武装勢力の掃討作戦拡大の一環で、北西辺境州にあるイスラム原理主義勢力タリバンの拠点を空爆した。
同軍スポークスマンが記者団に語ったところによると、今回の空爆は首都イスラマバードから約160キロ離れたディル地区で行われ、武装勢力70-75人が死亡し、大勢が一掃されたと言う。
パキスタン政府はこれまで、アフガニスタンとの国境地帯での武装勢力掃討を実施していないと批判されてきた。その結果、米軍が無人武装偵察機でパキスタン国内の標的を空爆し、パキスタン側の不満を招いていた。
しかしパキスタン軍が先日から武装勢力への攻勢を強めたことで、住民は避難を余儀なくされた。支援団体によると、ディル地区からは1万5000-3万人が避難したとされる。
パキスタン軍はディル地区での作戦を完了し、次の標的ブネール地区に照準を移した。タリバンは先日、ブネール地区からの撤退で合意済みだが、これに違反して武装勢力300人が数日前に入った。同軍はブネール地区とスワートバレー地区を空爆し、武装勢力の出入りを差し止める。